2023年zoom講演会 質問の回答 その3
2023年「講演会」のアンケートからいただいた
質問の回答 その3
質問内容 ↓
『ホルトオーラム症候群は遺伝するとおっしゃってましたが、何パーセントくらいの確率で遺伝するのでしょうか?
私や主人の身内には同病の方がいないので、娘が今後ご縁があり結婚して出産する時に気に留めておく必要があると思うので教えて頂きたいです。』
→
学生向けの講義および教科書範囲で恐縮ですが、僭越ながら私の知識レベルで答えさせて頂けますと、
基本50%です。
学生向けの講義でも取り上げさせて頂いていますが、全先天異常新生児の25%がde novo遺伝子疾患または染色体異常)です。
つまり、突然変異で非遺伝的な要因で遺伝子に変異(または染色体異常)が入ってしまい結果的に遺伝子疾患となってしまうケースがかなりの率で生じていることがわかってきています(両親はキャリアでないものの子供に子供に以降の子孫に変異が引き継がれてしまうケースです)。
ですので、実際にはもう少し高い率で遺伝されていると考えています。
ですが、必ずしも発症してしまうというわけでもないところ救いであり基礎研究する上で歯痒いです。
答えになっていますでしょうか? (理事 竹内 <生体情報薬理学講座 准教授>)
→〜ホルト・オーラム症候群は、会のホームページにも記載のある通り、
「50%の確率で遺伝をする。」〜
⇨ その通りです。
確率だけでなく、どう症候群(体質)と向き合うかご本人主役で話し合うことが大切です。
自分にどのような医療が行われ、ご両親がどれだけ愛情深く育てられ、関わった医療者がどれだけ心と技術を尽くして対応してきたか、についても丁寧に共有する場面が必要と思います。
そのために「遺伝カウンセリング」というものがあります。
将来のことを考え始める年齢になったら、遺伝科、遺伝診療科、遺伝子医療研究センターといった専門外来で
「遺伝カウンセリング」を受けてみてはいかがでしょうか。(理事 古庄 <遺伝科医師>)
※お役に立てましたら幸いです